1945年にモスクワ音楽院の学生により結成された弦楽四重奏団。創立メンバーには、現在指揮者として活躍しているルドルフ・バルシャイもヴィオラ奏者として関わっていました。既に半世紀を裕に越える歴史を持ち、ロシア最高のカルテットとされています。
当初、モスクワ・フィルハーモニック弦楽四重奏団という名称でスタートしましたが、創立10年目に、ボロディン弦楽四重奏団と改名。メンバーも何度か交代していますが、現在は下記の4名で活動。
- ルーベン・アハロニアン Ruben Aharonian 第1ヴァイオリン
- アンドレイ・アブラメンコフ Andrei Abramenkov 第2ヴァイオリン
- イゴール・ナイディン Igor Naidin ヴィオラ
- ワレンティン・ベルリンスキー Valentin Berlinsky チェロ
チェロのベルリンスキーは、創立以来のメンバー。カルテットの伝統を自ら伝えています。
2008年12月15日、最長老のチェリスト ワレンティン・ベルリンスキー氏が逝去されました。外国語サイトなので英語になりますが、記事を幾つか見つけたものを下記致します。
- ボロディン弦楽四重奏団公式website:現在、トップ頁に訃報を伝えて居ります
http://www.borodinquartet.com/- ロシアIC.com:
http://www.russia-ic.com/news/show/7552/- ニューヨーク・タイムズ:
http://www.nytimes.com/2008/12/25/arts/music/25berlinsky.htmlこういった訃報の中でもベルリンスキー氏の生涯について簡明にまとめてあるのが、
ソロの道に進んだロストロポーヴィチの代わりにベルリンスキーが入って、本格的に弦楽四重奏団の活動が始まった創設期から、ソヴィエト時代の海外公演の事情、後年のちょっとした内紛(?)まで、詳細な記事になっております。
数多くの録音がありますが、ボロディンやチャイコフスキーといったロシアの伝統音楽、作曲者との関わりも深かったショスタコーヴィチの作品、また、リヒテルなどの同世代の音楽家と共演した様々な室内楽曲などに定評があります。
正確なアンサンブル、艶やかで濃厚な音、溌剌とした表現などは、他の弦楽四重奏団と比べても際立つ特色と言って良いでしょう。
弦楽四重奏曲のアンサンブルとはなにか・・・そんなクォリティーを教えてくれる名四重奏団の一つです。
リヒテルと共演した室内楽曲などは、内容もさることながら、最初の一枚として聞きやすいものでしょう。しかし、何よりもお薦めしたいのは、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏団全集。ショスタコーヴィチの交響曲以外も聴いてみたいという方には、是非!作曲家の印象も変わってくると思います。
PickUp!した2枚組のDVDは、このカルテットに関する情報が少ない中、貴重なもの。その二枚目が、ベルリンスキー氏によるベートーヴェンとショスタコーヴィチのカルテットのマスタークラスになっていますが、必見といっていい、素晴らしい内容です。
この演奏家に関する書籍のご紹介はありません。
米国での所属事務所Mariedi Anders Artist Managementのwebsite:
決して分量は多くはないのですが、ボロディンSQに関しては、一番充実した情報があるサイトでしょう。カルテットおよび現在のメンバーの経歴の他、近年の公演評やCD評の抜粋が数多く集められています。
ONYXレーベルのwebsite:
経歴情報は、上のMariedi Andersとほぼ同等。最近の公演状況やOnyxから発売されているCDへのリンクも調べやすくなっています。
Related Articles: